覚え書き

このページでは、オーマンディの録音(あるいはCD化)について気がついたことを書いて行きます。
情報大歓迎ですので、よろしくお願いいたします。
  • 荘厳大序曲1812年(99/02/08:修正)

  • (この項目を修正するにあたり、オーマンディ掲示板にて市川さんから多くの有益な御指摘、情報をいただきました。ありがとうございました。)

    ディスコグラフィにはCBSへのステレオ録音は59/04/12の一種だけ記載していますが、実はCDやLPでは次の2種類があります。
    (1)全曲オーケストラだけ
    (2)序奏は合唱とオルガンだけで管弦楽は無し、曲の後半では、大砲、鐘、軍楽隊が共演する
    (2)の合唱は、The Mormon Tabernacle Choir(Director: Richard P. Condie)、軍楽隊はValley Forge Military Academy Band ( Conductor:Col.D. Keith Feltham)と記載されています。
    (1)と(2)をよ〜く聞き比べてみても(合唱、大砲、軍楽隊以外は)同じ演奏の様に聞えます。細かい部分までそっくりです。まさに同じ演奏・録音で、序奏、コーダ以外は、同時再生でぴったり重なりました。
    (1)の序奏を合唱、オルガンの演奏と入れ換え、曲後半ではもとの録音に大砲、鐘、軍楽隊を重ねているようです。
    (2)の録音を収録しているLPで、1970年11月6日ソルト・レイク・シティでの録音、と明記されているものが存在するようです。68年にオーマンディはRCAに移籍していますので、オーマンディはこの「切り張り・ミキシング」には関与していなかったと思われます。
    丁度この頃、オーマンディはRCAにこの曲を録音しており、こちらでは、The Philadelphia Brass Bands, Electronic Cannon, Bells, Temple University Choirs(Director:Robert Paige)が共演しています。
    てっきり、この録音に対抗すべくCBSで急きょ「切り張り・ミキシング」したものと思っていましたが、RCAの録音はCBSより10日遅い1970年11月16日のようです。
    この日付だけで考えると、逆にCBSのほうが先、ということになりますが、
    68年のRCA移籍後の最初の録音にオーマンディが「悲愴」を選んだ時、(レコードを買う人を混乱させるために)CBSは、60年録音の「悲愴」を(元の 発売日を表示せず)再発売して顰蹙を買った、という話がThose Fabulous Philadelphiansに載っていますので、CBSはアリバイ作りのために敢えて11月6日と書いている、あるいは、1812年を録音するという情 報を得て急きょ録音したという可能性があると思います。

  • カヴァレリアルスティカーナの間奏曲(その3)(98/09/01)


  • カヴァレリアの件、ソニーに問い合わせても何の返事もないので、思い切って次の2枚を買いました。
    コステラネッツのアルバム「オペラ・ロマンティック・メロディ」(国内盤SRCR1544)
    「オペラ名曲集」(シッパース指揮コロンビア響)(国内盤SRCR1543)
    結論は、コステラネッツ。同時再生でぴったり重なりました。

  • カヴァレリアルスティカーナの間奏曲(その2)(98/06/28)

  • (98/05/24)の記事をご参照下さい

    以前、大町さんから連絡いただいた、「THE ITALIAN ALBUM」(MFK45544)を入手しました。
    このCDにはオーマンディ指揮フィラデルフィアo.演奏のカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲が収録されています。
    オーマンディのカヴァレリアは別に珍しくはないのですが、これまでCD化されていた演奏(演奏時間3分20秒)より演奏時間が7秒ほど短いので、別録音であることは間違いありません。(演奏時間3分12秒)
    何度か聴いてみましたが、これまでのCD化の演奏と比べ、今回の演奏には次の様な特徴がありました。
    (1)弦が薄い。
    (2)弦の表情がやや小味である。
    (3)ファゴットが聞こえない。(その他の管楽器についても編成が違うように聞こえる)
    (4)ポルタメントが無い。

    というわけで、7:3でオーマンディでは無い、という感触です。
    すなわち、このアルバムの表記間違いの可能性が高いということです。
    このアルバムには、カヴァレリア以外には、コステラネッツの演奏がたくさん収録されていますが、もしかすると、コステラネッツの演奏かもしれません。
    私は持っていないのですが、コステラネッツのアルバム「オペラ・ロマンティック・メロディ」(国内盤SRCR1544:95/10/21発売)には、この曲が収録されており、演奏時間が3分13秒とあります。(レコードイヤーブック96、114頁)
    また、同じシリーズの「オペラ名曲集」(シッパース指揮コロンビア響)(国内盤SRCR1543:95/10/21発売)にもこの曲が収録されており、演奏時間も3分13秒です。(レコードイヤーブック96、115頁)
    こちらかも知れません

    いずれにしてもソニーに尋ねてみるしかありませんね。

  • チャイコフスキー弦楽セレナーデ(98/06/28)

  • 通常30分程度かかるこの曲をオーマンディは20分程度で演奏しています(3度目の録音:SBK46538)。特別に高速に演奏しているわけではなく、第1楽章と第4楽章で次のような大幅なカットをしているためです。
    ◎第1楽章:32-36,154-268 (全287小節中120小節のカット)
    ◎第4楽章:84-295(全449小節中212小節のカット)

    何とも凄まじいカットです。4楽章なんて、あっというまにコーダです。(^_^;)
    2度目の録音の10インチLPを持っていますが、これもかなりのカットをしていたはずです(手許に無いので、今回確認できず)。
    この曲は、オーマンディの演奏ばかり聴いてきたので、他の演奏(普通ほとんどカット無し)を聴くと今でも違和感があります。
    同じくチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の第3楽章では、現在でも数カ所カットするのが普通ですが、パールマンとの録音ではノーカットです。
    この録音が発売されたとき、録音史上初のノーカット、と雑誌で見た覚えがあるのですが、本当でしょうか?


  • オペラ(98/06/22)

  • オーマンディはオペラの録音を殆どしていないようですが、Berkshireで入手可能の「蝶々夫人」(1948年ハリウッドボウルo.他)以外にも、メトロポリタンとの「こうもり」(恐らく1950年)の録音があるようです。
    「蝶々夫人」は、ラジオ放送用の録音のCD化のようです。始めにアナウンサーの解説が入っています。
    まじめな?録音で、決して聞きづらくはありません。
    「こうもり」は、CBSへの正式録音のようです。Heritageシリーズでの復刻が期待されます。
    文献のページで取り上げている「CONDUCTORS」には、1950年に一度だけメトロポリタンに客演、と記載されています。
    また、「Those Fabulous Philadelphians」には、1948年に、初めてオペラ「蝶々夫人」をハリウッドボウルで指揮した、とあります。
    こちらの本には「こうもり」についても記載があります。
    オーマンディの暗譜力に触れているところ(p.187)で、「メトロポリタンに「こうもり」の客演で招かれたとき、序曲しか知らなかったこのオペラを数日で全曲暗譜した」
    また、指揮棒についてオーマンディが語っているところ(p.190)で、「1939年に右肩のじん帯を痛めて手術が必要になるまでは、指揮棒をいつも使っ ていた。医者はそのとき指揮棒を使うのをやめることを勧めた。指揮棒無しだと負担はずっと軽くなった。1950年に「こうもり」をメトロポリタンでリハー サルしているとき、ステージの歌手にビートが見えないと言われたので、指揮棒を借りてその問題は解決した。それ以降オペラでは指揮棒を使うようにしたが、 コンサートでは使わなかった。1960年に医者と相談して、コンサートでも指揮棒を使うようにし、それからはずっと使っている。」
    「こうもり」以降にもオペラを振っているように読めますね(^_^)。何を振ったんだろ?


  • SBM(98/05/26)

  • オーマンディの復刻に、ソニーが一時良く付けていたSBM(Super Bit Mappingの略)のついたものって、どれくらいあったのでしょう?
    手許には、
    (1)トッカータとフーガ〜オーケストラ名曲集(国内盤SRCR 9288)
    (2)メンデルスゾーン、ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲(SMK66827)
    (3)ヴィエニアウスキ、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲(SMK66830)
    の3枚しかありません。
    (98/06/01追記:後日掲示板で大町さんから、HeritageシリーズがSBMであるとの指摘を頂きました)
    装置のせいかも知れませんが、(1)では有り難みが余り感じられませんでした。
    期待せずに買った(2),(3)ですが、スターンのソロを含め、素晴らしく瑞々しい音がします。
    特に印象的なのはブルッフで、ラロとカップリングされていたMPK45555でも決して悪くはなかったのですが、これから一皮も二皮も剥けた感じです。
    ブルッフの冒頭1分に、飛行機か何かの低い音がゴーっと入るのが、生々しく聞こえます(MPK45555ではフィルターでカットされていたようで、何やら 良く判りません)。オケの音も同様で、どちらかというと地味で退屈なこの曲が、オケの音を楽しんでいるだけでも飽きさせません。
    このスターンのシリーズ以外にもSBMモノを御存知でしたら是非教えてください。


  • チャイコフスキー交響曲第5番(98/05/26)

  • レコード芸術の付録「レコードイヤーブック96」によると、この曲のRCAへのステレオ録音(74年)が第5回録音で、この後1回録音している(61ペー ジ)、とあり、この曲もCBS・ステレオ・2度の曲か!と気合いが入りましたが、どうもこの記述は間違いの様です。残念ながらこの録音は第4回目で、正式 録音は全部で5回だけだったようです。


  • カヴァレリアルスティカーナの間奏曲(98/05/24)

  • マスカーニのカヴァレリアルスティカーナの間奏曲は、CBSへの67年の録音だけかと思ってましたが、大町裕二さんのレポートによりますと、もう一種あるようです。
    “DINNER CLASSICS -THE ITALIAN ALBUM-”というCDに収録された演奏で、演奏時間は3分12秒。67年のものより抑揚が大きい演奏だそうです。 (67年のものは3分19秒または20秒)


  • CBS・ステレオ(98/04/28)(98/04/29追記)

  • オーマンディがCBSへステレオで2度録音している曲は、スウェーデン狂詩曲の他に、
    ブラームス交響曲第1番
    ボレロ
    ローマの噴水
    ローマの松
    グランドキャニオン(98/04/29追記)
    薔薇の騎士組曲(98/06/01追記:初出はML5333で、MONOだったが、録音が57/12/23で、ステレオの可能性あり)
    があります。
    合唱の有無の違いのあるものでは、フィンランディア、「主よ、人の望みの。。」くらいでしょうか。
    これらは全部RCA移籍直前の駆け込み録音ですねえ。


  • アルヴェーンのスウェーデン狂詩曲第1番(98/04/27)

  • 以下の2枚のCDが手許にあります。
    (1)MBK38917 (1989年発売?)
    (2)SBK60265 (1998年発売)
    同じ録音だと思っていたのですが、この曲には2種のステレオ録音があるという情報のご連絡を頂きました。
    (1959 - MS 5591),(1968 - MS 7674)
    (2)のライナーには1959年録音と明記されていますが、(1)には録音年月日記載なし。
    演奏時間は、
      (1)13:04(4:40+4:36+3:48)
      (2)12:33(4:22+4:36+3:35)
    であり別録音だと思われます(カッコ内は曲の部分毎の時間)ので、(1)はおそらく1968年録音なのでしょう。
    そう思って聴き比べてみると、印象がかなり違います。
    演奏時間から分かるように、中間部の時間は全く同じ。第1部、第3部が1959年の録音の方が速く、勢いがあり鮮やかな演奏です。

  • ベートーヴェン:田園(98/04/27)

  • 以下の3枚のCDが手許にあります。
    (1)52DC371-2 (1985年発売)
    (2)SRCR 1503 (1995年発売)
    (3)SB2K 63266 (1997年発売)
    同じ録音(66年)ですが、いずれのCDでも3楽章は繰り返しが無しで、演奏時間は3:00です。LPでは繰り返していたような記憶がありますがどうだったでしょうか。
    今、LPが手許に無いので未確認なのですが、御存知の方ご連絡お願いいたします。


  • ベートーヴェン第9の録音(98/04/27)

  • 以下の3枚のCDが手許にあります。
    (1)MYK 37241 (1981年?)
    (2)SRCR 1504 (1995年発売)
    (3)SB2K 63240 (1997年発売)
    同じ録音(64年)ですが、2楽章の時間が(3)だけ長い。(1),(2)は10:21であるのに、(3)は13:50。
    聴き比べてみると、(3)では繰り返しを全部(!)やっていることが判明。




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